第556話どんな感じ?

「これは慰謝料なんだから、決めるのは当然あたしよ。あなたの希望なんて関係ない!」

エミリーの理性が、ダニエルの甘い色香に勝った。彼女は彼を押しのける。

もちろん、彼の顔なんて直視できるはずもない。

ダニエルは横向きに寝そべり、片手で頭を支えたまま、酔わせるような笑みでエミリーを見つめていた。

「で、どんな慰謝料が欲しい?男のモデルを、わんさか?」

男のモデル――その言葉を口にしたとき、唇には笑みを残しながらも、ダニエルの目はわずかに細くなった。そこに宿った危うさが、ぞくりと胸を撫でる。

やっぱり。

彼はそれが理由で来たのだ。

エミリーはもともと、男のモデルを雇ってダニエルを苛立...

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